肛門腺のハナシのまとめ

少し前に2記事に渡って肛門腺について語りました。
これは私がお客様ワンコたちに
整体師として施術をしたり
食育指導士としてご飯のアドバイスをしたり
トリマーとして肛門腺絞りをしたり
する中で、おおっ!という発見があったことに端を発していたのですが

世間では、、、というか獣医師界隈とトリミング業界では
最近とあるトリマーさんの問題意識から研究が進み
そこで出された論文に査読がつき
日本動物皮膚科学会誌に掲載されるということで
つい先日改めてセミナーが開催されました。
その情報にもしっかりキャッチアップした上で
肛門腺のハナシをまとめておこうと思います。

元の論文はこちら↓
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjvd/32/2/32_23-010/_article/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjvd/32/2/32_23-010/_pdf/-char/ja

この研究が始まるきっかけとなったのは
あるトリマーさんのところでトリミングを受けているワンちゃんが
どういう経緯かはわかりませんが肛門嚢炎にかかり
それを診察した獣医さんが
「トリマーさん、ちゃんと絞ってくれてなかったのかなー」
といったような不用意な発言をしたことから
真面目にきちんとやっていたトリマーさんに不当な疑惑がかけられ
こまめに通ってくれていたお客様と築いてきた信頼関係は崩れ
悔しく悲しい想いをしたという経験から始まったそうです。

本当にトリミング時に肛門腺を絞り切れていないことが病気の原因になるのか?
トリマーはその責任を負うべきものなのか?
といったことを徹底的に追及すべく獣医師の方と組んで研究が始まりました。
結論としては、以前の記事でも紹介しました通り、

肛門腺(肛門嚢)を絞ることと肛門嚢の病気とは関係がない
肛門腺(肛門嚢)を絞ることで肛門嚢の病気の予防になるわけではない
肛門腺(肛門嚢)を絞る必要は特にない

ということで、
この研究に関わったトリマーさんのサロンでは既に
肛門腺絞りは通常では行わず、オプションメニューの方に入れることにしたとのことです。

ただ、決して絞ってはいけないということではなく
もしお尻を気にするコがいて
絞ることでそれが解消されるのであれば
そのようなコは絞ってあげればよい

という形でセミナーは結ばれていました。

なので、おそらく今後は
意識の高いトリマーさんほど
うちのサロンでは肛門腺は絞らない!
という方向へ動いていくと思われます。

現場ではどうかというと
肛門腺のことを気にする飼い主さんは一定数いますし
情報アップデートがされていない獣医さんに尋ねれば
「サロンで肛門腺をしっかり絞ってもらってください」
と言われることも少なくないようです。
そう考えると
たとえワンコが嫌がったり痛がったりしていても
神経質にギューギュー絞る、、、
のような悲しいことを起こさないためにも
このような最新情報は大切だと思います。

そんなわけで、この研究・論文にはなんの異論もございません。

ですが、そこから一歩進んで私が思うことはまた別にあるのです。

といいますのも、
私自身トリマーでもありますが、
それだけでなくペットの整体師でありペット食育指導士でもあるのです。
ペットさんの身体をよくしたいのです。

この研究の成果により
肛門嚢の病気の原因としてトリマーさんに濡れ衣を着せられることがなくなるのは喜ばしいですが
肛門脳閉塞や肛門嚢炎を抱えるワンコがいるならそれは解決したいと私は思います。
もちろんそれを担うのは獣医さんでもあるのですが、
身体の不具合は何事も突然起こるわけではなく、日頃の過ごし方によって起こるのです。

この研究結果を聞いた人々から寄せられた感想や質問を見ていると
”肛門腺を絞らないことこそが動物福祉だ!”
”もし絞らないことでたくさん溜まってしまいクサいニオイがしたとしても
それもその子の一部として愛そう!”
、、、というような流れで質疑応答が盛り上がっていまして
そこは和音の目指すところとは少し違っていました。

過去の肛門腺関連の記事にも書きましたように↓↓
肛門腺がクサイのは当たり前?  
クサクない肛門腺ってどういうこと?


肛門腺(肛門嚢)の状態はその子の身体全体を反映しています。
ものすごくクサイ状態や
ドロドロで詰まりやすい(肛門嚢閉塞)状態
の場合、そんな時は身体全体が良いコンディションではありません。

そこに細菌感染などが重なることで肛門嚢炎などにも繋がっていきかねません。

このことは放置なんだなーって、、、なんなら
”肛門腺はクサいからこそ愛おしい!”
くらいな会話が展開されてました。

本当はそうではなく
身体の状態が良ければ
肛門嚢の分泌自体がとても少なかったり
あってもサラサラで排出されやすく
くさいニオイもありません。

この状態のワンコたちなら
定期的な肛門腺絞りをしなくても問題は起こりにくいでしょう

ここを置き去りにして
「肛門腺絞りをすることと病気予防は関係ない」「だから肛門腺絞りはしない」

ということ「だけ」が広まっていくと
取り残される、、、というか病院通いのワンコさんが増えることになりそうです。
問題が起こったら病院に行くのは間違っていませんが、
問題が起こった時に病院で行われる処置は対症療法であり
問題は起こり続けることになりがちです。
トリマーのせいではない(確かにそうです)、だからノータッチ!
では片手落ち、、、というかお客様を置き去りにしてしまい兼ねないなと感じます。

和音のお客様は
病院のお世話にならない(お世話になる必要がない)ワンコになるように
お導きしていきます。
肛門腺のことを気にする必要もなくなりますよん😊


Follow me!