そのオヤツ、安全ですか?
和音で開催している
ペット食育協会の入門講座では
「なんでも食べられる元気な身体づくり」を目的として
様々な形式の食材・食事についての適切な知識をお持ち頂けるよう
お話させて頂いています。
「これでなければならない」という頑固なものではなく
フード、手作り、いろいろありながら
様々な場面、その時の事情に合わせて
いろいろ食べればいいのだという考え方です。
ただ、、、
”なんでも食べられる”の「なんでも」は
当然ですが、安全なものでなければなりません
手作りするのであれば
食材選びから始まり、調理の過程、保管方法まで
ご自分で管理していくことになりますから、わかりやすいですね
では、お店に並んでいるパッケージに入った加工品を購入してくる形の
フードやオヤツはどうでしょう?
手作りする場合には自分で判断しなければならないので
あれこれ悩んだり心配する人もいらっしゃいますが
市場に流通している加工品を買う場合には
あまり疑わずにそのまま与える人の方が多いのではないでしょうか。
ここでは最近よく目にするペット(ヒトも?)の
不調の原因となっていることの一つ
生(ナマ)、または十分に加熱をされていない食品を
摂取した場合に起き得る問題について取り上げたいと思います。
生ものを食べる食文化は寿司・刺身など、日本人には馴染んだもんであり
それを否定するつもりは全くありません。
そのような場合の安全管理は日本人にとっては慣れたものです。
ところがペットの食事となった時、
人々はなぜかその常識を失ってしまいがちです。
ペットの世界では
生食を与えることを重要視している人々が一定数いますし、
そのような食材がたくさん流通しています。
また、上記のように特別なこだわりをもっていなくとも
「フリーズドライ」のオヤツをご利用の方が非常に多くなったと感じています。
利用者の皆さんに聴いてみると
積極的にそれを選んでいるという印象はなく
近年、急激に流通量が増えたことによって自然とそれを買わされている結果のようです。

フリーズドライの技術とは
食品を急速冷凍し乾燥させる方法で、
高温による(つまり加熱の)影響を避けて乾燥させるため
食材の風味・香り・食感・栄養価を保ち、常温で長期間保存できる
という特徴があります。
ただ、もともとは人間用の食事で
お湯で戻して食するお味噌汁やスープ、
またお湯で戻した後に加熱調理するための食材の保存として使われることが主でした。
ところが犬用となると
なぜか多くの飼い主さんはこれをそのまま与えているように見受けられます。
未開封ならば常温で品質が保持されているのでしょうが
犬用オヤツは、開封してその場で一気に食べ切ることは少なく
お散歩バッグに何日も入っていたりしますね。
フリーズドライで加工される食材の多くが「生」です。
犬用オヤツやフードでフリーズドライのメジャーなものをざっと調べてみますと
「生だからこそ高い栄養価が、、」のような謳い文句が目につきます。
その食材には
豚や牛もありますが、鶏肉が最も多い
部位もささみ、ムネ肉、レバー、ナンコツなど実に様々、、、
それはいいとして
これら、生なんですよ、ナマ。
加熱されないままフリーズドライ加工されている
生肉には当然のことながら様々な菌や寄生虫がいます
鶏肉など冷凍しても消えることはありません
ある調査では生の鶏肉の100%にカンピロバクターが検出されたとのことです。
それでもペットに生食を推奨している人々はたくさんいますし
生食で生活しているペットたちに
すぐさま重篤な問題が起こっているようには見えないですね
でもそれは本当に問題なしでしょうか?
実は実際には様々な問題が直接的・間接的に起こっています。
これについて獣医師でありペット食育協会の会長である須﨑恭彦先生が
コラムで紹介してくださっています。
元記事も参照されています。
市販の生の鶏肉ベースのペットフードを猫が食べたら鳥インフルエンザウイルスに感染して安楽死
https://susaki.com/cats-that-eat-commercially-available-raw-chicken-based-pet-food-become-infected-with-the-avian-flu-virus-and-are-euthanize
乾燥したドッグフードや犬用おやつからヒトにサルモネラ食中毒発生!(カナダ)
https://susaki.com/salmonella-food-poisoning-outbreak-from-dry-dog-food-and-dog-treats/?fbclid=IwY2xjawNuWdBleHRuA2FlbQIxMABicmlkETFMWjF5dG1lYXBZY3VPRFhRAR6masxRf0NV2PtobuVbKtfF-G4VN1-L9FmeSrcVL1AXF0xNOBRlMHNbtlS-Yg_aem_QEBjHomKPyvbqCHp4V1ZgQ
リンク先のコラムではペットたちには顕著な問題が起こっていないことが多いけれど
保持した菌をヒトに感染させる問題を重要視しています。
と言いますのも、生肉に存在する
サルモネラ菌
カンピロバクター菌
などは、犬や猫に感染しても目に特に大きな症状を出さないことが多いと言います。
けれど、ペットの仕事をしている私の実体験として
私は、実はペットたちにもそれなりの問題が起こっているように思います。
食べた直後にお腹こわしてダウンしてしまうとか、、、
そういったわかりやすい症状が出ないと
ま、いっかと通り過ぎてしまう人が多いことは残念ですが
実は皆さんの「目に見えて」ないだけで
直接的に皆さんのペットにも
様々な症状を起こしているということを知って頂きたいなと思っています。
それと言いますのも
私はワンコの整体師をやってまして
それも一般の整体師さんと少し違った視点と施術法なんです。
前の投稿の
ワンコのガニ股の本当の原因は?
https://waon.pet/blog_oct-20-2025/
にも少し書きましたが
ワンコの四肢の動きに内臓の状態が大きな影響を与えていまして
特に後肢の動きが悪いワンコは
腸周辺が腫れていることがたいへん多いです。
このようなお腹の不調に
前述してきたような、日々与えているオヤツやフードが
少なからず関係している可能性は大いにあると思っています。
明らかにおかしなものを口にした時、、、
拾い食いしてしまったとか、、
そんな時は、みなさんとても心配しますし
もし具合が悪くなればそれのせいだ!
とすぐに納得するものです。
でも、すぐに大きな問題を起こさないものには気づかなかったり
問題が起こってもそれのせいだと思わないということが
実は多いのではないかなと思います。
鶏肉、生で食べちゃダメですよね
他のお肉もよろしくはないですよ
開封後時間が経てばどうなるか?
わかりますよね
うちではミクが
この夏、ちょこちょこ体現してくれたので
いろいろ考えさせられました。
ウチでは市販のオヤツは食べさせてないんですけど
お友だちとの楽しいひとときにいっしょに頂く機会などはあります。
お友だちワンコさんたち、ママさんたちとの楽しい交流の中で
ゆるくしていいことと
どんな時でも締めておかなければならないことを
きちんと区別しなければと感じています。
すべては
愛犬に健やかに楽しく暮らしてもらうため
それが一番大切だから


